Travel Notes / 2026 ・ No.03
江ノ島・鎌倉 日帰りルート
空飛ぶモノレールで島へ渡り、海沿いを歩いて、江ノ電で大仏と古都へ
公開
東京を朝8時に出て、大船から懸垂式の湘南モノレールで江の島へ。
島をひと回りしたら、海沿いを歩いて鎌倉高校前の踏切へ。そこから江ノ電で長谷の大仏と長谷寺、
最後は鎌倉の小町通りと鶴岡八幡宮。乗り物と滞在時間まで、時刻つきでまとめました。
ルートの考え方
江の島から鎌倉へ、西から東へ一方向に進むルートです。行きは大船からモノレールで江の島へ下り、帰りは鎌倉からJRで東京へ。同じ道を戻らないので、乗り物そのものも楽しめます。
このルートを組むうえで考えたのは、次の三つです。
- 江の島は朝のうちに ── 島は階段と坂の多い、歩いて回る場所です。人の少ない午前中に島の奥の岩屋まで歩き切り、昼食で一息つきます
- 江の島から鎌倉高校前は歩く ── 電車なら江ノ島駅から2駅ですが、海沿いの国道の歩道を歩いても35分ほど。右手にずっと海を見ながら、踏切まで歩いて向かいます
- 後半は江ノ電の沿線で調整 ── 江ノ電は日中ほぼ14分おき。長谷の大仏と長谷寺を軸に、疲れ具合と時間を見て、寄り道を足したり引いたりします
立ち寄るのは、地図の番号順に次の5か所です。
| 番号 | スポット | ひとことで |
|---|---|---|
| ① | 大船(湘南モノレール) | レールにぶら下がって走るモノレール |
| ② | 江の島 | 江島神社、展望灯台、岩屋、しらす丼 |
| ③ | 鎌倉高校前 | 海の見える駅と、アニメで知られる踏切 |
| ④ | 長谷 | 鎌倉大仏(高徳院)と長谷寺 |
| ⑤ | 鎌倉 | 小町通りと鶴岡八幡宮 |
一日のスケジュール
東京を 8:05 の東海道線で出て、9:07 に湘南江の島着。昼過ぎまで江の島を歩き、海沿いを鎌倉高校前へ。江ノ電で長谷、鎌倉と回って、鎌倉 18:13 発の横須賀線で東京 19:06 着です。
一日の時間配分(番号は地図のスポット)
2026年10月の土曜のダイヤで確かめた一例
| 時刻 | 行程 | 交通手段・所要 | メモ |
|---|---|---|---|
| 08:05 | 東京 → 大船(08:44) | JR東海道線 39分 | 品川・横浜からも同じ電車に乗れる |
| 08:52 | ① 大船 → 湘南江の島(09:07) | 湘南モノレール 15分・340円 | JRの改札を出て乗り換え。先頭車の前の窓の近くへ |
| 09:07 | 湘南江の島駅 → 青銅の鳥居 | 徒歩 約20分 | 弁天橋を渡って島へ |
| 09:30 | ② 参道・辺津宮・中津宮 | 滞在 約40分 | 奉安殿は8:30から |
| 10:15 | ② サムエル・コッキング苑・シーキャンドル | 滞在 約45分 | 苑は無料、展望灯台は800円 |
| 11:10 | ② 奥津宮 | 滞在 約15分 | 島の尾根道を西へ |
| 11:30 | ② 稚児ヶ淵・江の島岩屋 | 滞在 約45分 | 岩屋は500円 |
| 12:15 | 岩屋 → 参道 | 徒歩 約25〜30分 | 島を登り返す。階段が多い |
| 12:45 | ② 昼食(しらす丼) | 滞在 約45分 | 参道や橋のたもとの店で |
| 13:30 | 江の島 → 鎌倉高校前 | 徒歩 約35分(2.5km) | 国道134号の海側の歩道 |
| 14:05 | ③ 鎌倉高校前の踏切 | 滞在 約20分 | 撮影は隣の腰越ラッコ公園から |
| 14:31 | 鎌倉高校前 → 長谷(14:46) | 江ノ電 15分・220円 | ほぼ14分おき。海側(右側)の席へ |
| 14:55 | ④ 高徳院(鎌倉大仏) | 滞在 約40分 | 長谷駅から徒歩約7分 |
| 15:45 | ④ 長谷寺 | 滞在 約35分 | 受付は16:30まで |
| 16:25 | 長谷 → 鎌倉(16:29) | 江ノ電 4分・200円 | 混んでいたら歩いても20〜25分 |
| 16:35 | ⑤ 小町通り・鶴岡八幡宮 | 滞在 約1時間25分 | 八幡宮は駅から徒歩約10分 |
| 18:13 | 鎌倉 → 東京(19:06) | JR横須賀線 53分・1,040円 | 乗り換えなし。次は 18:21 発(19:18 着) |
朝の東海道線は 08:12 発(大船 08:53 着)でも、モノレールの 09:00 発に乗れば 09:15 に湘南江の島に着きます。モノレールは日中7〜8分おきに出ているので、乗り換えで急ぐ必要はありません。
きっぷと予算
このルートは行きと帰りで駅が違い、江ノ電にも2回しか乗らないので、フリーパスより交通系ICカードで乗るのがいちばん簡単で安く済みます。JR・モノレール・江ノ電、どれもICカードで乗れます。
| 項目 | おとな1人 | メモ |
|---|---|---|
| 東京 → 湘南江の島(JR+モノレール) | 1,250円 | うちモノレール340円。ICカードなら1,242円 |
| 江島神社 奉安殿 | 200円 | 境内の参拝は無料 |
| 江の島シーキャンドル | 800円 | サムエル・コッキング苑は無料 |
| 江の島岩屋 | 500円 | |
| 江ノ電 鎌倉高校前 → 長谷 | 220円 | |
| 高徳院(鎌倉大仏) | 300円 | 胎内拝観は別に50円 |
| 長谷寺 | 400円 | |
| 江ノ電 長谷 → 鎌倉 | 200円 | |
| 鎌倉 → 東京(JR) | 1,040円 | 横須賀線で乗り換えなし |
| 昼食・食べ歩き | 2,500〜3,500円 | しらす丼は1,500〜2,500円ほど |
| 合計の目安 | 約8,000円 | おみやげは別 |
江の島の坂を屋外エスカレーターのエスカー(上り専用・全3区間500円)で上がるなら、シーキャンドル・エスカー・岩屋などがセットになった「江の島1day」(1,550円)のほうが安くなります。料金は2026年9月時点の公表額・検索結果です。
① 湘南モノレール
大船でJRを降りたら、改札を出てモノレールの乗り場へ。大船から湘南江の島まで6.6km、8駅を約15分で結ぶ湘南モノレールです。1970年に開業し、翌1971年に湘南江の島まで全線がつながりました。
湘南モノレールは、頭上のレールから車体がぶら下がって走る懸垂式です。足もとに線路がないので、窓の下はそのまま住宅街や森。上り下りやカーブが多く、トンネルもくぐり、「空飛ぶジェットコースター」と呼ばれることもあります。江の島への行き方はほかにもありますが、この乗り物に乗るために大船回りを選ぶ価値があります。
- 席は先頭へ ── 運転席の後ろから前の窓越しに、レールが丘を越えていく様子が見えます。混んでいたら1本見送るのも手です
- 車窓 ── 前半は住宅街の上を、後半は丘の森の中を縫うように、上り下りを繰り返しながら海へ向かいます
- 終点 ── 湘南江の島駅は駅ビルの5階。同じ階に「ルーフテラス」という展望スペースがあり、片瀬の町並みを見下ろせます
② 江の島 ── 参道と江島神社
湘南江の島駅から、片瀬の町を抜けて海へ。江の島弁天橋を渡り切ると、緑青色の青銅の鳥居が迎えてくれます。その先は土産物屋や食事処の並ぶ坂の参道です。
江の島は島全体が江島神社の境内のような場所です。辺津宮・中津宮・奥津宮の三つのお宮があり、坂と階段で島の奥へ向かいながら順に参ります。弁財天は日本三大弁財天のひとつに数えられ、芸能や財運の神様として信仰されてきました。
- 辺津宮(へつみや) ── 参道を上がって最初のお宮。境内の奉安殿には、八本の腕を持つ八臂弁財天(重要文化財)と、琵琶を抱いた妙音弁財天がまつられています(8:30〜16:30、200円)
- 中津宮(なかつみや) ── 朱塗りの華やかな社殿。辺津宮からさらに階段を上がった先にあります
- エスカー ── 階段がつらい人は、屋外エスカレーターの「エスカー」で島の上まで上がれます(上り専用)
② 江の島 ── シーキャンドルから岩屋へ
中津宮を過ぎると、島のてっぺんのサムエル・コッキング苑です。明治時代に英国人の貿易商サムエル・コッキングが造った庭園の跡で、今は無料で入れる植物園。その真ん中に、展望灯台の江の島シーキャンドルが立っています。
シーキャンドルの展望フロアからは、相模湾をぐるりと360度。片瀬の浜から鎌倉・三浦半島、反対側には箱根の山々と、晴れていれば富士山や伊豆大島まで見えます。ここから先は島の裏側へ下っていく道になるので、全体を眺めて方角をつかんでおきましょう。
- 奥津宮(おくつみや) ── 尾根道の食事処や土産物屋のあいだを抜け、階段を下った先にあります。拝殿の天井の「八方睨みの亀」は、どこから見ても目が合うといわれます
- 稚児ヶ淵(ちごがふち) ── 島の裏側の、海に張り出した岩棚。夕日と富士山の名所で、潮が引いていれば下りて海の近くまで歩けます。波の高い日は近づかないように
- 江の島岩屋 ── 波の浸食でできた洞窟で、奥行き152mの第一岩屋と、56mの第二岩屋があります。弘法大師や日蓮が修行したと伝わり、源頼朝も祈願に訪れた、江の島信仰の始まりの場所です(500円)
岩屋から参道へは、来た道を登り返して25〜30分。お昼は参道か、橋のたもとの店でしらす丼を。相模湾はしらす漁が盛んで、とれたての生しらすが食べられるのはこのあたりならではです。
生しらすは、漁があった日だけのメニューです。海が荒れて漁に出られない日や、禁漁期(1月1日〜3月10日)は、釜揚げしらすになります。
海沿いを歩いて ③ 鎌倉高校前へ
昼食のあとは、弁天橋を戻って海沿いを東へ。国道134号の海側の歩道を、腰越漁港の前を通って2.5km、35分ほど歩くと、鎌倉高校前駅に着きます。電車で来るより、七里ヶ浜へ続く海岸線を眺めながら歩いて近づくほうが、この駅の良さがわかります。
鎌倉高校前は、ホームのすぐ目の前が海という江ノ電らしい駅です。そして駅の隣の鎌倉高校前1号踏切は、アニメ『SLAM DUNK』のオープニングに登場する踏切として知られ、国内外から多くの人が写真を撮りに訪れます。坂の上から、踏切と、その先の海を見下ろす――あの構図です。
「アニメの画面」もここに並べたいところですが、作品の場面は権利者の著作物なので、この記事では載せていません。かわりに、同じ坂の上から踏切と海を見下ろした現地の写真を置きました。見比べるなら、ぜひ作品の映像で。
人気の場所だけに、鎌倉市は訪れる人にいくつかのお願いをしています。気持ちよく写真を撮るために、次のことを守りましょう。
- 撮影は腰越ラッコ公園から ── 市は、踏切のすぐそばの公園を撮影場所として案内しています
- 車道や踏切の中で立ち止まらない ── 坂の道路は車も通ります。歩道をふさいで立ち止まるのも避けて
- 私有地に入らない ── 周りは住宅や店です。敷地や駐車場に入って撮影しないように
週末や連休は人が多く、2025年10月〜2026年3月には誘導の警備員も配置されました。2026年2月からは、市がAIカメラで踏切周辺の人の流れを調べるなど、混雑対策が続いています。
江ノ電で ④ 長谷へ
鎌倉高校前から鎌倉行きの江ノ電に乗って15分、長谷で降ります。進行方向の右側の席に座ると、七里ヶ浜、稲村ヶ崎と、しばらく海が続きます。極楽寺のトンネルを抜ければ、もう長谷です。
長谷は、鎌倉大仏(高徳院)と長谷寺が歩いて5分の距離にある、江ノ電沿線でいちばんの見どころです。駅から大仏まで徒歩約7分。先に奥の大仏まで行き、戻りながら長谷寺に寄ると無駄がありません。
高徳院(鎌倉大仏)
- 国宝の大仏 ── 銅造の阿弥陀如来坐像で、1252年に造り始められたと伝わります。かつては大仏殿の中にありましたが、災害で建物が失われ、15世紀の終わりごろから今のように屋根のない「露坐」の大仏になりました
- 胎内拝観 ── 大仏の中に入って、内側から像の造りを見られます(8:00〜16:30、50円)
- 時間と注意 ── 10月〜3月は8:00〜17:00(入場は閉門の15分前まで)、拝観料300円。境内は飲食禁止です
長谷寺
- 観音堂 ── 高さ9mを超える木造の十一面観音像(長谷観音)がまつられています
- 見晴台 ── 山の中腹から、由比ヶ浜と鎌倉の海を見下ろせます。この日いちばんの「鎌倉の海」の眺めです
- 時間 ── 拝観受付は8:00〜16:30(4〜6月は17:00まで)、400円。長谷駅から徒歩5分です
⑤ 鎌倉 ── 小町通りと鶴岡八幡宮
長谷から江ノ電で4分、終点の鎌倉へ。JRの東口に出ると、赤い鳥居のかかった小町通りの入口がすぐそこです。商店街を抜けて北へ歩けば、鶴岡八幡宮に着きます。
鶴岡八幡宮は、源頼朝が鎌倉幕府を開くにあたって今の場所にまつった、鎌倉の町の中心です。駅から八幡宮へまっすぐ延びる若宮大路も、八幡宮の参道として造られました。一日の最後に、鎌倉という町の成り立ちを感じられる場所です。
- 小町通り ── 約360mの商店街に、甘味処やせんべい、雑貨の店が並びます。夕方は閉店が早い店もあるので、気になる店は先に
- 鶴岡八幡宮 ── 開門は6:00〜20:00(通年)なので、夕方でもお参りできます。大石段を上がった本宮からは、若宮大路が海へまっすぐ延びるのが見えます
- 帰り道 ── 八幡宮から若宮大路の参道「段葛」を歩けば、鎌倉駅まで約10分。18時に八幡宮を出れば、18:13 の横須賀線に間に合います
状況に応じて組み替える
このルートは、後半の江ノ電区間で自由に組み替えられるのが良いところです。その日の天気と足の具合、混み具合を見て調整しましょう。
| こんなとき | こうする |
|---|---|
| 江の島で時間が押した | 岩屋を省いて奥津宮で折り返すと、約40分短くなります。展望灯台に上らず、苑の散策だけにしても |
| 坂と階段がつらい | 上りはエスカーで。セット券「江の島1day」(1,550円)なら、灯台・岩屋とまとめてお得です |
| 時間に余裕がある | 江ノ電の途中下車を。稲村ヶ崎(海と富士山、夕日)、極楽寺(小さな駅舎と古刹)、長谷から歩いて由比ヶ浜も |
| 江ノ電に何度も乗る | 乗り降り自由の1日乗車券「のりおりくん」(800円)。この記事の行程(2回・420円)なら不要です |
| 江ノ電が満員 | 週末の午後は鎌倉行きが混みます。長谷から鎌倉駅までは、歩いても20〜25分です |
| 雨の日 | 岩屋は荒天時に閉まり、稚児ヶ淵も危険です。江の島は神社と苑までにして、長谷寺と八幡宮に時間を回します |
| 湘南キャンドルの時期 | 10月10日〜11月3日は、夕方のサムエル・コッキング苑がキャンドルで彩られます。鎌倉を先に回って、夕方に江の島に着く逆回りも |
出かける前に
- 歩きやすい靴で ── 江の島は島の上り下りだけで階段がかなりあり、岩屋の前後は足もとが濡れていることも。この日は全部で10km前後歩きます
- 朝早いほど楽 ── 江の島も江ノ電も、午後になるほど混みます。朝8時台に東京を出るのは、そのためです
- 食べ歩きのマナー ── 鎌倉市は、混み合った場所での食べ歩きを控えるよう条例でお願いしています。小町通りでは店先で食べてから歩きましょう。高徳院の境内は飲食禁止です
- 繁忙期の江ノ電 ── 大型連休などは、江ノ電鎌倉駅で沿線住民の優先入場が行われることがあります(2026年のゴールデンウィークにも実施)。観光客は駅の外で並ぶことになるので、時間に余裕を
- 時刻は必ず確認 ── この記事の時刻は2026年10月の土曜のダイヤで調べた一例です。平日・休日で変わるので、前日に乗換案内で確かめてください
結 — 一枚まとめ
- 東京 8:05 の東海道線で大船へ。湘南モノレールで 9:07 に江の島の入口へ。帰りは鎌倉 18:13 発、東京 19:06 着。
- 江の島は午前中に島の奥まで。参道、江島神社の三つのお宮、シーキャンドル、稚児ヶ淵と岩屋。お昼はしらす丼。
- 午後は海沿いを35分歩いて鎌倉高校前へ。踏切の撮影は腰越ラッコ公園から、車道や私有地に入らずに。
- 江ノ電で長谷へ、鎌倉大仏と長谷寺。最後は鎌倉の小町通りと鶴岡八幡宮。
- 予算はひとり約8,000円。きっぷは交通系ICカードで十分。後半は天気と混み具合で組み替えを。
参考
- 湘南モノレール — きっぷ・運賃
- 江島神社 — ご案内
- 江の島シーキャンドル — 料金・チケット
- 藤沢市観光協会 — 江の島岩屋
- 鎌倉市 — 鎌倉高校前駅周辺を訪れる皆さまへ
- 江ノ島電鉄(時刻表・運賃)
- 高徳院(鎌倉大仏)公式
- 長谷寺 — 拝観案内
- 鶴岡八幡宮 — アクセス
- 国土地理院 — 地理院タイル一覧(地図の空中写真)
写真は Wikimedia Commons で公開されている、再利用が認められた写真を使っています。作者とライセンスは各写真の下に記しました。地図の空中写真は国土地理院、道と線路の形状は OpenStreetMap のデータをもとに作成しています(沖合の海は、撮影時期の違う写真の継ぎ目をならすために色を整えています)。時刻は NAVITIME の乗換案内で2026年10月の土曜のダイヤを調べたもの、料金・時間は2026年9月時点のもので、変わることがあります。
旅ノート No.3 — 江ノ島・鎌倉 日帰りルート / 2026.09